11月19日「ファミスペ2022 in KANSAI」の報告です
11月19日、大阪のココプラザにて「ファミスペ2022 in KANSAI」を開催しました。
コロナを心配しながらのリアル開催でしたが、セミナーには121名の方にご参加いただきました。
当日は、遠方からご参加くださった方、勇気を持って初参加してくださった方、普段は会えない仲間に会えた方、色々な思いが溢れるお顔を拝見しながら無事開催できてよかったなーと感慨深かったです。
セミナーの第1部では、不登校経験者である貴戸先生と野田さんに「不登校・ひきこもりをどう受け止めるか」というテーマでご講演いただきました。
当時の想いや不登校のその後についてのお話に、皆さん熱心に聞き入っておられました。
第2部では、「親子の信頼関係を築くために」というテーマで当法人の相談役である谷田がワークショップを開催しました。
ワークショップでは、4人グループになってお話をしていくうちに緊張もほぐれ、会場も和やかな雰囲気に包まれていました。
ご参加いただいた皆様、感想を寄せてくださった皆様、本当にありがとうございました。
当日、会場設営や後片付けをお手伝いいただいた皆様にも「ファミスぺ2022 in 関西」事務局一同、心より感謝申し上げます。
そして残念ながら会場には来れなかった方やいつもファミラボを応援してくださる皆様も来年のファミスペで会えるといいですね。来年は名古屋開催予定です。
たくさん感想をいただいた中から、一部を抜粋して掲載させていただきます。
1部(貴戸先生、野田さんの講演)の感想
学校に行っているから、進学の選択肢が増えたから安心ではなくて、本人の気持ちに寄り添って支援していく必要があるということ。母親から離れて自分の居場所で自分の世界を作っていくこと。タイミングは人それぞれだけど、コップの水が溢れるようにその時がきたということ。学校信仰の強い日本社会だからこその苦しさがあるということ。
(娘以外の)当事者の声を聴く機会が初めてだったので、野田さんの当時のお気持ちや考えておられたことを伺えたのは新鮮でした。全く同じではないだろうけれど、娘も「なんでわかってくれへんの?」と思っているのかな…と想像しました。これまでよりは娘に寄り添える気がします。
どちらも不登校を体験された方なので、一つひとつの言葉に重みがありました。野田さんの話にあったように、外に出る事になるきっかけは人それぞれ違うんだろうなと感じました。
木戸先生が小学生時代、学校に行かなかったことで自分の世界を守った。豊かな時代だったと言われた言葉が心に残りました。
野田さんのお話では、20代後半にお母様が正直な思いを話してくれたことで、許せる気持ちになった。自分がその話を受け止められると信じて話してくれたことが嬉しかったという話が、響きました。
子供の世界を守ること、子供を信じることが出来ているかなと、自分を振り返る機会を頂きました。
「不登校でも大丈夫と言うけれど、進学や就職に繋がらない不登校を切り離している」という貴戸先生の言葉が一番心に残りました。母親は大丈夫の例を求めがちだけれど、大丈夫じゃない例を含めて全体を見る事が必要と思いました。
野田さんの話を聞いて、不登校の子にとって母親が、どんなに、大きな存在で、あるかを、感じました。
気持ちを全て、理解することは、難しいけれど、わかりたい気持ちがあること、正直に、つたえることが、大切なのだと思いました。
子供に理由を聞いても、いつも「わからない」と言われていたので、当事者の目線でのお話を聞くことができて、とてもよかったです。
お話を聞いて、引きこもる当事者の悲しみや辛さははかりしれないものであること。
想像していた以上のことだった。
また、引きこもるきっかけについて 想像もできない理由で驚いた。
お二人のお母さんもいろいろ居場所をさがされていたのだなぁ とお母様方の気持ちも痛いほどわかり、そしてお二人のようにご自分の経験から発信していけるものがあり 社会までも何か希望のある世の中へと考えてくださっていることに 感動と感謝と安心をいただけました。ありがとうございました。
お二人の講演とても興味深く聴きました。
野田さんは不登校を肯定的に捉えられているところが印象的で、親の関わりがそこに作用したのかをもっと聴きたいなと思いました。(息子は恐らく人生の汚点と思っているので)
貴戸先生の講演は不登校になった子供が大人になってどうなっているのかという事をもっと聞けたらと思いました。日本の教育の仕組みが不登校に影響を及ぼしている事、なるほどと思いました。
貴戸さんの言葉で、「小学生時代に学校に行かないことで、自分の世界を守った」と言われていたことが心に残りました。
貴戸先生の講演は、社会学という視点が新鮮でした。ご自身が経験されていることで、経験者ならではの視点もあり、他人事ではなく自分事ととらえながらも、観察の姿勢を保っておられることに感動しました。
野田さんの講演は、自分の娘が語っているような親近感を感じました。親の会に参加する母を警戒したが、母の態度が変わることから警戒を解いていったというお話は、まさにその通りだろうと思いました。
どちらも自分の経験を言葉にすることで、不登校を受け入れ、自分を受け入れることにつながっていったのではないかと思いました。
私も自分の思いを言葉にすることで自分を受け入れられていってるように思います。
その背中を見せることが子どもたちに安心を感じさせられることにつながればと願いつつ、学び続けようと思います。
お2人とも、穏やかで優しい語り口で、まずそこから引き込まれました。
お2人のお話を聞き、学校に行けたらそれで終わりではなく、その後が大事なんだという事が、改めて分かりました。
これからも、自分と向き合い、整えていく事が必要なんだなと実感しました。
当事者の方の言葉は、とても重く、心に響きました。子供への接し方の参考になりました。
野田さんの家で勉強すると、せっかく休んでいるのに学校が迫ってくる感じがしたとのお話しは、あーそうなんだとすごく腑に落ちました。当事者でなければ分からない感覚だなと思いました。貴戸先生の親の会などに不登校からの成功事例として呼ばれてたとのお話しに、当事者さんの話しを聞いてわかったつもりになるけど、聞きたい話だけ聞いて、耳の痛い話を聞がないようにしてないだろうかと思いました。不登校から社会復帰するのはもちろん、そうなってほしいと思います。でも、頑張っても社会復帰が難しい、外に出にくい、働くのが難しい子たちもいると思います。社会復帰が成功事例としてしまうと、それが難しい子らは失敗となってしまうのではと貴戸先生のお話から思いました。親の関わりでその子を支えたり、暮らしやすくはできるけど、その子そのものを変えることはできない。その子の抱える生きづらさも含めたありのままと共に歩む覚悟が必要だと思いました。
貴戸さんが小学校に行けなかったことを、「なりすましては、生きていけなかった」と、おっしゃっていたことがとても印象に残りました。
自分を偽らずにあるがままを受け入れてくれる場所が、学びの場所として認められる社会になることを願います。
野田さんは小3から19才まで不登校・引きこもりと言う体験を聞き、外の世界と繋がるまでに長い時間が必要だったことを聞き、不安な気持ちと改めて身が引き締まりました。
「お母さんに受け止めてもらわないと世界から見放される」「大丈夫だと言い続けて欲しかった」野田さんのことばはとても心に刺さりました。娘の不登校当初、私は自分が何とかしなくては、何とかしてみせると娘の気持ちより自分のことばかり考えていた様に思います。娘が当時、どう感じていたのかわかりませんが、きっと不安でいっぱいだったんだろな、受け止めきれずごめんねという気持ちになりました。
また、貴戸先生の講演では、不登校に対する欧米との捉え方の違いや、日本の社会構造について知ることができました。育った時代に支配された捉え方の枠組みを外すには時間がかかりますが、知識を得たり仲間と話すことで少しずつ柔軟に不登校やひきこもりを受け止めていけたらと思いました。
貴戸先生の社会学から見た不登校とは…という貴重なお話を聞けて良かったと思います。
また不登校への対応として、自尊心を守るには何をすると嫌なのか傷つくのか…は個々によって違うのでしっかり子どもをみてあげるのが大事だというところが心に残りました。野田さんのお話では、外に出るきっかけは突然やってくる…とおっしゃっていたところが印象深かったです。本人にしかわからないタイミングにまわりはそっと寄り添っていくのが大切だと考えさせられました。
野田さんのお話は当事者の気持ちがとても解りやすく説明されていて自分の子供の気持ちを理解するのにとても参考になりました。
2部(ワークショップ)の感想
待ちに待ったそしてようやくお会いできたリアルみんさんでした。画面越しで何度もおききしているそのままの、きさくで心地よいみんさんのお話ですすんだグループワーク。自分の課題も再認識できたこともあってとても良かったです。はじめましての方々とのグループワークでしたが、やはり同じ境遇なのですぐに仲良くなれた気がします。
最初の「上の手、下の手どちらが得意?」との質問に、下の手が得意だと手を挙げたのですが、ワークショップが進むにつれ「これは得意なのではなく、面倒くさいことにならないよう先回りして整えているだけだな」と気付きました。娘が「本当の自信」を身につけられるよう、まずは私自身の感情の理由に注目したいと思います。
なかなか自分を表現しない息子の心がわからずもどかしい気持ちでいましたが、かいわがなくてもイメージ観察という言葉を聞いて、自分ができることがあると勉強になりました。
安心感の輪なかなか難しいですか、子供が今どこにいるのか考えていきたいです。
イレギュラーなことが起きた時のシャークミュージックや歓喜の歌聴いてて耳が痛かったです 肝に銘じます(⌒-⌒; )
ワークショップもはじめましての方ばかりでしたが、ファミラボの仲間と思うと安心して話すことができました。
適切に対応できないときはその場を離れる。毅然とできないときは、なぜ私は毅然とできないのか自分に問う、ということを忘れずにいたいと思いました。
愛着の話を聞くのは、初めてでは、ありませんが、その時の置かれている状況によって、感じることが、違うなぁと思いました。
うちの子は二人とも 変化球を投げてくるタイプで、やっと、そこに気づけるようになってきたかなと確認することができました。
面倒で、逃げてしまいがちですが、受け止めれるように、なりたいと思いました。
子どもへの接し方は2通り。見守っていてね、寄り添ってね、のどっちか観察。子育てはやり直せる 。今からでも大丈夫。お話きいてるとやってみようという気になりました。
質問の仕方が、後出しジャンケン方式と説明された時、それそれ!うちの娘はまさに、とても腑に落ち、それほどまでにNoと言われるのが怖いのかと再認識。
愛着形成のやり直し、まだまだかかりそうだと思いました。
以前も講習で学ばせていただいた上の手下の手を今一度思い出して、あらためて「黙る」ことの意味を理解した上で実行できそうです。グループワークは、仲間の方とのつながり、あたたかさを感じることができた素敵な時間になりました。
自分も子供も不安が強いほうだと感じていたので、安心感の輪のお話が印象的でした。できるところから実践していきたいと思いました。
私は上の手も下の手も苦手で、シャークミュージックが流れる時に毅然とした対応が出来なくなる傾向があります。自分の不安が強く、子どもにとっての安心安全な基地ではなかった。でも今からでも安心安全な基地になれると信じて、みんさんから学んだことを活かしていきたいと思います。
ワークショップは和やかな雰囲気で、楽しく学ぶことができました。ありがとうございました。
子育てにおいて、安心と信頼の力を育むことがとても大切なことであり、その力が根底にあってこそ自信や自己肯定感につながると知り非常に勉強になりました。
上の手と下の手の例えで、子どもたちに寄り添う下の手が苦手だったなぁと。今は母親ノート法で少しずつできるようにサポートしてもらい、子どもたちが安心を感じられる家庭になってきたんじゃないかと思います。愛着についても、私自身が回避型で、それも子育てに大きく影響してたのかなぁと思います。
過去の自分は、なんて自己中で、子供の危険地帯だったのだろうか!
でも、ファミラボなどで学び続けることで、安全地帯に少しは近づいているのでは?と今回のお話を聴いて感じました。
毅然とした態度、というところが自分の課題だと思います。毅然とする必要があることか?ないことか?まずはブレブレの自分の心にしっかりと問うてみたいと思います。
みんさんは、いつもより緊張しているように見受けられましたが、聴講側は、みんさんのお話はリラックスして聴けて、内容もスッと入ってきます。大阪人らしく、笑いのエッセンスも入っていて、さすがです!ありがとうございました。
愛着のワークショップは、以前から受けたいと思っていました。
上の手と下の手、見守りと寄り添いのどちらかを見ればいいというのがとても分かりやすく、すぐに実践出来そうだと感じました。
会場は広かったし、参加人数も多かったにも関わらず、あったかい雰囲気で一体感をもちながらのワークになりました。グループの方とリアルでお話できたことが何よりでした。もう一度、愛着に関する本を見直そうと思いました。
子供の両手になれるよう、まずは自分の両手をたくさん作りたいと思いました。
上の手、下の手について具体的なイメージを持てました。
本当の自信の定義付けが、目から鱗でした。こどもが自信をつけられるように、まずは私が、本当の自信を身に付けるように鍛練したいと思いました。
「見守っていてね」と、「寄り添っていてね」…こどもがもっと小さいときに、こんな話を聞きたかったです。でも、「子どもは何度でも親にチャンスをくれる」…本当にそう思いました。
見守りと寄り添いで子どもの自信が育まれること、そのために子どもを観察してどちらを求めているのかまずは見極める必要があることがわかった。そして観察は今まで知らなかったことを探すことだとわかったことが収穫でした。
子育てはお金も時間もエネルギーもかかるものだという言葉を聞き、腹をくくって不登校に向き合おうという気持ちになりました。
安心の輪…今まで子どもに作ってあげれていただろうか……とあらためて考えさせられました。これからの私自身の課題にしたいと思います。
同じ悩みがある仲間と話すって事は張り詰めている気持ちが ふっとラクになる時間なんだなぁと体感で喜んでいるのを感じられました。ありがとうございました。
NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ
「ファミスぺ2022in関西」事務局
E-mail:familab.kansai.special@gmail.com